CAREN について

工学研究院に原子力安全先端研究・教育センターを設置

~国内外の関係機関と協力し,原子力安全の先端的研究と教育の拠点を構築~

概要

持続可能な社会の実現に向けて,温室効果ガスの放出を伴わない原子力エネルギーの利用・推進が図られています。しかし,原子力エネルギーが多くの国民に信頼され,受け入れられるためには,現在の原子力安全技術を維持するだけでなく,さらに高い安全性を有し,環境と調和するための研究開発並びにそれを支える優れた人材の確保が求められるところです。
そこで,北海道大学大学院工学研究院は,10 月 1 日に原子力安全研究並びに教育の高度化を図るための拠点として,研究院内に「原子力安全先端研究・教育センター」を設置しました。原子力工学は,広範な分野で高い技術が求められる総合工学です。本センターでは本学のみならず,国内外の民間企業,研究・教育機関との連携を促進し,原子力分野の共同研究の加速化への一助を果たします。
具体的には,国内外の研究者の受入れ促進や,学生の研究及び学習支援を進めるほか,未来社会を支える高度な原子力安全技術を開発するとともに,原子力工学分野の優れた技術者,研究者を育成します。

センターの理念と人材育成

本センターは,本学の理念に則り,原子力研究開発推進のために,産学連携の下に,国際的視野に立ち,原子力安全に関する先端的研究開発を行います。また,本研究開発とともに,以下の人材育成を目指します。

1.フロンティア精神
  • 日本の原子力政策,エネルギー政策を俯瞰的に思考し,未来を切り拓ける人材の育成
  • 世界最先端の研究・技術開発を推進できる人材の育成
2.実学の重視
  • 企業において即戦力となりまた,将来的に統治できる人材の育成
  • 日本における喫緊の課題について解決できる科学的・技術的知見を有する人材の育成
3.国際性の涵養
  • 国際的情勢に通じ,国内外の文化を把握し,日本のプレゼンスを示せる人材の育成
4.全人教育
  • 社会と共存しうる原子力技術を思考できる人材の育成

活動内容

本センターは,文科省の補助事業の活動拠点として学内外を問わず協働し,研究・教育の連携を推進します。
これまで本学工学研究院では,本学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターと連携して,長年にわたってオンライン教材による原子力教育を行ってきました。新たに構築する教育拠点では,本事業に参画する多くの機関が,各機関の強みを活かしたオンライン教材を制作・共有します。各機関が得意とする実験・実習の参加機会を提供し,学生の利便性並びに教育効果を高めた原子力教育を展開します。
一方,産業界等との連携融合を促進するため,リカレント教育・企業共同研究・社会人博士後期課程への進学等も推進してまいります。特に,原子力機関のある立地地域との連携を重視し,立地地域の企業等における学生の見学・実習の実施を計画しています。さらに,原子力工学の多様な分野において,外国の大学,研究機関との連携を行い,国際研鑚の場として海外インターンシップや留学を促すとともに,国際セミナーを開催します。また,高等専門学校での教育,社会人教育,市民向け理解活動に活用可能な教材開発にも積極的に取り組みます。

センターにおける人材育成活動の例
国際人材育成活動

謝辞

本センターは,文部科学省令和 2 年度「国際原子力人材育成イニシアティブ事業」(原子力人材育成等推進事業費補助金)の採択を受けて設置されました。

お問い合わせ

北海道大学大学院工学研究院 教授 小崎 完(こざきたもつ)
TEL: 011-706-6687  FAX: 011-706-6688  Email: kozaki@eng.hokudai.ac.jp

北海道大学大学院工学研究院 特任教授 中島 宏(なかしまひろし)
TEL: 011-706-7834  FAX: 011-706-7834  Email: nakashima.hiroshi@eng.hokudai.ac.jp