活動実績(2022年度)

1.(株)北海道電力・泊原子力発電所見学会

(北海道泊村)

(申請書提出段階では、計画外)

北海道電力(株)・泊原子力発電所を見学し、原子力発電所の構造、機能について学ぶ。
見学会案内資料については別添1-1を参照。1-1 北海道電力・泊原子力発電所見学会案内 2022.pdf
なお、開催費用はすべて(株)北海道電力会社負担。

日時

第1回:令和4年8月31日(水)9時~18時30分
第2回:令和 4 年 11 月 11 日(金)16 時 30 分~18 時 00 分(事前講義)
    令和4年11月12日(土)9時~18時30分

開催場所

(株)北海道電力 泊原子力発電所
https://www.hepco.co.jp/energy/atomic/atomic.html

参加者

第 1 回 学生 19 名(北大生限定)
第 2 回 学生 23 名(北大生限定)

内容

  • とまりん館にて、原子力発電所の概要について、概念的に学ぶ。
  • 屋外において、自然災害などに対する防災体制に係る防潮堤等を見学する。
  • 屋内設備においては、制御設備、発電設備、更に原子炉設備、燃料取扱い設備がある管理区域に入るとともに、原子炉格納容器内に入域する。
  • シミュレータ設備に実際に触れ、原子炉の運転を体験する。

第 2 回においては、見学における理解を深めるため、前日に以下の事前講義を行った。

1.講義名:「北海道電力株式会社の原子力の取組」
講師:北海道電力株式会社 原子力事業統括部 部長 武田 佳也氏
2.講義名:「シミュレータ関連の事前講義(仮)」
講師:北海道電力株式会社 泊発電所発電室 打矢 剛朗氏

事前学習資料

#01「原子炉工学」
https://ocw.hokudai.ac.jp/lecture/backend-nuclear-reactor-engineering

質疑

アンケート結果

学生の意見の例

  • 通常では立ち入れないような区域まで見学することができ、原子力発電所についてとても勉強になりました。 また、シュミレータの体験操作に関して、緊急事態時の対応などを体験出来たらより勉強になったかなと思いました。
  • 事前学習の動画で分かりにくい部分がいくつかありました。授業の動画ではなく、専用の講義動画を作る方が良いのではないでしょうか。当日の見学はとても良かったです。
  • ・同伴してくださった技術職員の方々との交流の時間を設けていただけると、仕事内容などをより詳しく知ることができるのではないかと感じた。
  • 原子力発電所の管理区域の見学は非常に貴重な経験であり、このような体験をさせていただけたことはとても嬉しく思います。本体験を通して、今後のエネルギー問題に対する自分な考えを発展させていけたらと思います。
  • まず、勇気を出して参加してよかったと思います。知識が何もなかったので、参加しても良いものか少し迷ったのですが、先に好奇心が勝ったので応募しました。知識のなさは事前の講義である程度の基礎は抑えられたし、そのおかげで見学会全体の解像度も高まったと思います。原子力発電所を間近で見る機会はそうなくて、知ろうと思わなければいつまでも「危険」というイメージで凝り固まってしまうかもしれません。そうなる前に自分で知る機会を掴むことが出来てよかったです。 3 回生で原子炉工学という講義があるそうなので、事前に見学ができた私は幸運だと思います。原発だけでなく、エネルギーの事全体についても考えるきっかけにもなりました。 ANEC 主催で、実験なども含めた短期の実習機会もあるとの事なのでそちらにもぜひ参加してみたいと思います。

2.北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習

(北海道札幌市)

中性子ビームなどの量子ビームを利用した物質科学・材料科学・生命科学・原子核物理学・素粒子物理学・産業利用・がん治療・薬学利用などが行われている。この中で、中性子放射化・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験は、宇宙探査機が小惑星から持ち帰った砂岩や、古文化財といった、貴重なサンプルの非破壊元素分析に用いられる。

本実習では、中性子ビームを利用した材料研究・食品研究・文化財研究・耐宇宙線半導体研究など幅広い学術研究・産学連携研究・国際共同研究をオンデマンドに実施している、北海道大学大学院工学研究院の電子線形加速器駆動パルス中性子実験施設「HUNS」を利用して、中性子放射化・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験を経験してもらう。ごく基本的な内容であり、初学者も安心して受講可能なプログラムを組んでいる。一方、初学者以外にも貴重な経験ができるよう、普段と異なる環境と人に囲まれて、放射線実習はもちろん、スペクトル解析、受講生の自由な発想に基づいたディスカッション等が経験できるようなプログラムとしている。

実験実習案内資料については別添2-1 2022年度北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習案内を参照。

日時

令和4年8月29日(月)9時30分~9月2日(金)15時

開催場所

北海道大学 大学院工学研究院
瞬間強力パルス状放射線発生装置研究室(北大LINAC)
https://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/QBMA/LINAC/

参加者

内容

  • 実習計画
  • 放射線施設の教育訓練
  • 北海道大学電子線形加速器・中性子実験施設の紹介と見学
  • 量子ビーム/中性子科学概論
  • 加速器・中性子ビーム源・中性子ビーム工学概論
  • 中性子放射化分析概論
  • 北大電子線形加速器駆動中性子源「HUNS」を利用した中性子放射化実験
  • NaIシンチレーター式ガンマ線スペクトロメーターによるガンマ線エネルギースペクトル測定
  • スペクトロメーターのエネルギー校正実験
  • スペクトロメーターのエネルギー分解能評価実験
  • ガンマ線バックグラウンド
  • 中性子放射化試料からのガンマ線のスペクトル測定
  • 元素・核種の同定・定量
  • 試料照射位置における中性子束の推定

・講義資料:添付2-3 2022年度北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習講義資料参照。
・学生発表会資料:添付 2-4-1 2022年度北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習学生発表資料 うさぎさん, 2-4-2 2022年度北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習学生発表資料 おうまさん, 2-4-3 2022年度北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習学生発表資料 ぞうさん, 2-4-4 2022年度北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習学生発表資料 らいおんさん参照。

アンケート結果

学生の意見・感想の例

  • 今回の実習を終えて、座学より実習・実験を通して得られたものの方が遥かに多かった為今後も今回と同様に実習・実験の比率を大きくしてほしい。
  • 今回の実習は 5 日間だったが、この長さは色々学ぶ上でちょうどいい期間だと感じた。
  • 班分けの際に、他の学校の方々と多く交流できたので、もしも、今後に班分けがある場合には、今回同様ばらばらにしてほしい。
  • 今回の実習名は、「中性子放射化実験」であったが、実際に中性子放射化実験を出来た期間は、あまり多くなかった為、もっと多く触りたかった。
  • ANEC の実習は比較的、関東から東の方で実施されることが多くある。関西方面での原子力放射線分野の研究の雰囲気を知りたい為、今後は関西や西側・九州とかで実習をやってみたい。
  • 初学者でも、非常に分かりやすく、中性子に対する知識が身についたと感じた。
  • グループワークも雰囲気が良く、より深い理解に繋がったと思う。また、中性子を使った他の実験も経験してみたいと感じた。
  • 各グループでテーマを持ち、グループワークを通して学んでいく体制がとても充実していたと感じた。
  • アンケート結果詳細:添付2-5 2022年度北海道大学 電子加速器駆動中性子源を利用した中性子放射化実験・ガンマ線スペクトロメトリーによる元素分析実験実習アンケート結果

3.静岡大学及び中部電力(株)浜岡原子力発電所における放射化学実験実習

(静岡県静岡市及び浜岡市)

本実習では、放射能・放射線の基礎的知識を、実習を通じて習得する。密封RIの実習では、放射線の種類・エネルギー等の違いによって、検出器の種類が異なること、被ばく線量は線源からの距離に反比例すること、放射線測定器の原理を知るとともにエネルギースペクトルを測定し、核種を解読するとともに、放射能量を測定する。非密封RIの実習では、被ばく、汚染、廃棄、保管方法などの安全な取り扱い方及び管理方法を習得する。特に、大線量照射装置を用いた線量評価手法である化学線量計の測定手法について習得する。密封RIの実習では、放射線の種類・エネルギー等の違いによって、検出器の種類が異なること、被ばく線量は線源からの距離に反比例すること、放射線測定器の原理を知るとともにエネルギースペクトルを測定し、核種を解読するとともに、放射能量を測定する。非密封RIの実習では、同位体希釈分析法による分析・評価手法について習得するとともに、低エネルギーβ線を放出するトリチウムの取扱方法および測定手法を被ばく、汚染、廃棄、保管方法などの安全な取り扱い方及び管理方法を習得する。

実験実習案内については別添3-1 2022年度静岡大学及び中部電力(株)浜岡原子力発電所における放射化学実験実習案内を参照。

日時

第1回 令和4年9月20日(火)8時30分~9月24日(土)17 時
第2回 令和4年12月24日(土)11時~12月28日(水)17時

開催場所

静岡大学
https://www.shizuoka.ac.jp/

中部電力浜岡原子力発電所
https://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/hamaoka/

参加者

内容

  • 静岡大学における実習
  • サーベイメータの使い方
  • DNAの32Pラベル化
  • 比例計数管を用いたトリチウム測定
  • フリッケ鉄線量計による測定
  • Ge半導体検出器の取扱
  • GM計数装置の取扱と放射線計測
  • 同位体希釈分析によるCaの定量
  • 浜岡原子力発電所における実習
  • 放出放射能管理実習
    気体廃棄物処理設備性能管理・気体廃棄物処理設備見学
  • 放射線管理測定実習
    管理区域内表面汚染密度測定評価・管理区域内空気中汚染物質濃度測定評価
  • 運転訓練シミュレータを用いた原子炉の運転
    原子炉臨界の実習・原子炉の安全性の確認
  • 環境放射能測定実習
    波高分析装置をつかった放射能分析実習・モニタリングカーを用いた環境放射能測定実習

事前学習資料

テキスト「第2版 放射線計測と安全取扱」

オンライン資料
放射化学概論

アンケート結果

学生の意見の例

  • 静岡大学での実習のいくつかには、放射化学の初学者には理解が難しい内容がありました。事前の自学自習にも限りがある中で、「電離箱」や「プラトー」といった、未習の用語を用いられるとその度に理解が詰まってしまいました。実習に参加する初学者へのサポートを、実習の内外で充実していただきたく思いますレポートの書き方が、説明が少なくよく分からない。手書き必須なのか、アプリを用いていいのかしっかり明言すべき。 レポートのフォーマットを指定するならば、メールで事前に送るなどした方が、お互いに面倒が無くて良いと思う。 レポート用紙が事前に購入したテキストと異なっていたので、統一してほしい。 レポート提出の締め切りを事前に告知したほうが良いのでは。経済状況によってはアルバイトの予定のためなど、前もって必要な人もいるのでは。 実験データの共有にパソコンが必要なら事前に明言すべき。せめて TA が代表者数人にメールで送るなど、告知しないなら相応の対応をすべきでは無いだろうか。
  • 本実習を企画頂いた先生方および実習をご担当頂きました静岡大学と中部電力の皆様に、深く感謝申し上げます。 静岡大学での実習は、物理学、化学、生物学、放射線計測に関する基礎的な実習科目を、集中的に学習することができました。多くの受講生が、非密封を含めた放射性同位元素の取扱いの実習は初めてと話しており、取扱いを学ぶ貴重な機会になったと思います。 実習をより良くするためのご提案としては、受講生からの質問・発言を促すことができれば良いと思います。受講生の放射化学の理論の理解状況を確認するために、例えば、事前に指定したオープン教材を視聴させて、疑問点・分からなかった点を記述して提出させた上で、実習の際に、受講生から挙げられた点を集中的に回答・説明すると良いと思います。
  • 静岡大学での実習のいくつかには、放射化学の初学者には理解が難しい内容がありました。事前の自学自習にも限りがある中で、「電離箱」や「プラトー」といった、未習の用語を用いられるとその度に理解が詰まってしまいました。実習に参加する初学者へのサポートを、実習の内外で充実していただきたく思います

4.日本原子力研究開発機構・幌延深地層研究センター及び北海道科学技術総合振興センター・幌延地圏環境研究所における見学会

(北海道天塩郡幌延町)

地下施設での調査研究の一端に触れることにより、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発への理解を深めることを目的とする。北海道幌延町にある、日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターにおいては、地下調査坑道などの施設を見学し、同センター職員との意見交換を行う。また、幌延地圏環境研究所においては、同研究所で行われている微生物、地下水、堆積岩など研究の現状について学ぶ。

見学会案内の詳細については別添4-1を参照。4-1 2022年度JAEA幌延及びNOASECにおける実習案内

日時

令和4年9月29日(木)6時50分~10月1日(土)12時

開催場所

  • 9月29日(木)午後及び9月30日(金)午後
    公益財団法人北海道科学技術総合振興センター
    幌延地圏環境研究所 
    http://www.h-rise.jp/
  • 9月30日(金)午後
    国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
    幌延深地層研究センター
    https://www.jaea.go.jp/04/horonobe/
  • 10月1日(土)午前
    北海道大学工学部/工学研究院
    https://www.hokudai.ac.jp/

参加者

内容

  • 公益財団法人北海道科学技術総合振興センター・幌延地圏環境研究所(幌延ライズ(H-RISE):Horonobe Research Institute for the Subsurface Environment)は、JAEA 幌延深地層研究センターの深地層研究施設を活用し,地圏の場と性質を利用した地球環境の改善に関する諸研究を展開するために 2003(H15)年6月に設立された。本研究所では、地下微生物環境研究グループ、地下水環境研究グループ、堆積岩特性研究グループの3つ研究グループが、堆積岩層に建設中の幌延深地層研究施設や北海道北部に分布する天北炭田等を活用して、珪藻質岩層や石炭層の地下環境を理解するためのフィールド科学に関する研究と、その地下環境を活用したメタンガス鉱床開発や二酸化炭素貯留を実現するための要素技術開発に関する研究を実施しており、これらに係る実験室を見学した。
  • 幌延深地層研究所においては、本研究所計画の概況説明の後、以下を行った。
  • 250m 坑道見学
  • ゆめ地創館見学
  • 地層処分実規模試験施設見学
  • 実習:250m 坑道地下水水質検査
  • 実習:ボーリングサンプル観察(掘削影響調査)

事前学習資料

<その他、参考となる教材>

質疑

アンケート結果

学生の意見の例

  • 幌延深地層研究センターを実際に見ると、想像よりも遥かに大きく迫力がありました。今回見学させていただいた 250 m の T 字型調査坑道は掘削長が 200 m 程度ということでしたが、地下で周囲が開けていないせいか巨大で複雑な構造のように感じました。実際の site-specific な地層処分場はかなり大きいのだろうと、そのスケールの巨大さを実感しました。 坑道内には意外と地下水が染み出しているという印象を受けました。工法の改善により地下水の排水量を掘削当初より半分以下に抑えていたり、地下水の起源を調べるために成分分析したりと、様々な努力をされていました。研究を行う generic な施設の意義を感じました。 大きな分析装置は地下に持ち込めないため、採取後すぐに分析ができなかったり、あるいは試料そのものの採取が難しいなど様々な制約の中で実験されていることが分かりました。特に、物質移行の原位置試験において、環境中ということもあり非 RI のトレーサーしか使えないという点に驚きました。 地下数百 m に構造物を建設することは最終処分場に限らずとも前例が少ないので、建設に伴う技術開発も行われていることを学びました。一般的な掘削技術だけでなく、低アルカリ製コンクリートといった最終処分場特有の手法も必要となることが分かりました。坑道の掘削は人が重機を使って掘削していますが、実際の放射性廃棄物を扱う際には人が作業することが難しいため、無人で作業することになると考えられます。generic な施設は遠隔操作の実証などにも活用できることを実感しました。
    2日目の実習では、倉庫の中のボーリング試料の本数に圧倒されました。幌延深地層研究センターの候補地選択の段階からボーリング調査が行われているため、かなりの本数に上ると思われます。あれだけの数のボーリング試料の亀裂などを詳細に分析したり、長期間にわたって試料が劣化しないよう丁寧に保管されていることに感銘を受けました。ボーリング試料のせん断や引張などの割れ目を分類するのは難しかったです。実習の時間がもう少し長ければ、より深く理解できたかもしれないと思いました。 最終日のディスカッションでは、地層処分に必要な研究開発が多岐にわたることを理解しました。その中でも、重元素の取り扱いといった建設一般でも生じる問題を、処分場スケールで評価・対策する必要性はこれまで考えたことがありませんでした。また、時間軸で整理することにより、地層処分が長期間に渡る巨大プロジェクトであることを実感しました。講評にもあったように、何世代にも渡って続けていく中で、技術や設計思想の消失を防ぎ、改良し続けていくことが重要だと感じました。 幌延実習では、深地層研究センターの調査坑道だけでなく、地圏環境研究所や風力発電も見ることができ、密度が濃く学びや気づきがたくさんありました。参加させていただきありがとうございました。幌延地圏環境研究所で行っている研究について、微生物や岩石についてもっと学んでおけば、より一層理解が深まると感じたので、微生物や岩石、地層についての事前資料があればありがたいです。

5.JAEA 常陽における原子炉シミュレータを用いた高速炉物理実験実習

(茨城県大洗町)

本実習は、高速実験炉「常陽」運転訓練用のフルスコープ原子炉シミュレータを用いて行い、原子炉の起動から臨界、制御棒校正試験、原子炉の温度や出力変化に伴う反応度係数の測定、高速炉心のフィードバック反応度測定等の各実験を通じて、原子炉の運転操作を体験するとともに、原子炉物理理論及び原子炉固有の安全性(自己制御性)を理解することを目的とする。
実験実習案内資料については別添5-1-1 2022年度JAEA常陽における原子炉シミュレータを用いた高速炉物理実習案内及び補足資料5-1-2 2022年度JAEA常陽における原子炉シミュレータを用いた高速炉物理実習案内補足資料を参照。

日時

令和4年10月17日(月)9時~10月18日(火)16時

開催場所

国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構 大洗研究所 高速実験炉「常陽」
https://www.jaea.go.jp/04/o-arai/joyo/index.html

参加者

内容

・実習内容:
実習は座学と実験実習からなり、2 日間程度をかけて以下の 5 項目を学ぶ。
(1) 高速実験炉常陽について(座学、見学)
(2) 臨界近接(座学と実習)
(3) 制御棒校正(座学と実習)
(4) 等温温度係数(座学と実習)
(5) 出力係数(座学と実習)

事前学習資料

・事前学習資料
・講義名:「常陽」の設備概要
詳細は、添付5-3-1 2022年度JAEA常陽における原子炉シミュレータを用いた高速炉物理実習事前講義資料参照。

・事前課題資料
・課題名:「常陽」シミュレータ実習 事前課題
詳細は、添付5-3-2 2022年度JAEA常陽における原子炉シミュレータを用いた高速炉物理実習事前課題資料参照。

・事前学習オンラインコンテンツ
#01「原子炉工学」
https://ocw.hokudai.ac.jp/lecture/backend-nuclear-reactor-engineering

アンケート結果

学生の意見・感想の例

6.JAEA・タンデム加速器を利用した重イオン核融合反応実験実習

(茨城県東海村)

⾃然界に存在する最も重い元素はウラン(U、原⼦番号92 番)である。これより重い元素は、原⼦核反応を使って⼈⼯的に合成されてきた。⽇本では、理研が中⼼とするグループが新元素113の合成に成功し、アジアで初めての元素の命名権を獲得、元素名「ニホニウム」を与えた。これまで⼈類は、118 番元素までの合成に成功している。

原⼦炉の中では、原⼦核が中性⼦を吸収してできるある種の原⼦核がβ-崩壊することで、⼀つ重い原⼦番号の元素が作られる。ウランから始まり、この過程を繰り返すことでフェルミウム(Fm,100 番元素)までの元素が原⼦炉の中で⽣成される。⼀⽅、ニホニウムなどはどのように作られるのか。

フェルミウムより重い原⼦核は、“重イオン核融合反応“で⽣成される。加速された原⼦核を、標的原⼦核にぶつけ、合体させる反応である。ニホニウムの場合、亜鉛原⼦核(Zn、原⼦番号30)を加速し、ビスマス(Bi,原⼦番号83)にぶつけることで、30+83=113 番元素が作られた。世界では、118 番を超える元素を作るべく、世界各国が競争している。

本実習では、この重イオン核融合反応に関する基礎と実験⽅法を学ぶ。このため、タンデム加速器からの重イオンビームを標的に照射し、⾃然界にない原⼦核を合成する。実験では、⽣成した原⼦核をビームから分離する⽅法、および⽣成した原⼦核の核種の同定⽅法について学ぶ。

実習を通じて「原⼦核の基礎」「検出器の動作と放射線計測技術」「データの解析⽅法」等を学ぶことにより、原⼦⼒技術者の育成はもとより、将来の科学者の先駆け的な育成を⽬指すことを⽬的とする。

実験実習案内資料については別添6-1 2022年度JAEAタンデム重イオン核融合反応実験実習案内を参照。

日時

令和4年10月25日(火)9時30分~10月28日(金)17時

開催場所

JAEA・原子力科学研究所・タンデム加速器施設
〒319-1195 茨城県那珂郡東海村大字白方2番地4
https://ttandem.jaea.go.jp/

参加者

内容

  • 実習内容:実習は座学と実験実習からなり、4日間程度をかけて以下の4項目を学ぶ。
    重イオン核融合反応の原理と超重元素の世界(座学)
    加速器の原理とビームの輸送(座学と実習)
    生成原子核を運動学的に分離する(座学と実習)
    放射線計測による生成原子核の同定方法(座学と実習)
  • 最終日に、本実習にかかる総合的な討論として、ディスカッションを行う。

アンケート結果

学生の意見・感想の例

  • 予想以上に多くの学びが得られて、そして機材を実際に操作させていただくことが出来て感激です。 専門から少し外れる生徒である私でもわかるよう、基礎から丁寧に説明していただけて最後まで理解しながらついて行くことが出来ました。 人工元素合成に関する知識は様々な書籍で読んだり、大学で教えてもらいましたが、それだけではわからないこと、設備の操作に関する注意点や難易度、実際どのような議論が行われるのかなどを身をもって知ることができここでしか学べないことを大いに体験させて頂きました。 本当にこの実習に参加して良かったと思います。 実習内容について特に不満な点はありませんが、しいて言うのであれば加速器の設備内で解説して頂いた時、機材から発せられる音が大きく、また施設内で音が響くため少し説明が聞き取りにくい時がありました。 あとから質問すると快く答えて下さったので理解度に問題はありませんでしたが、j-parc の設備案内で使用されていたような解説者の声を届けるイヤホンなどがあれば、このような環境で聞き取りにくい問題は解決できると思います。
  • アンケート結果の詳細は、添付6-3 2022年度JAEAタンデム重イオン核融合反応実験実習アンケート結果参照。

7.日本原燃・再処理工場及び低レベル放射性廃棄物埋設センターにおける見学会

(青森県六ヶ所村)

日本原燃・再処理工場及び低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ヶ所村)において、放射性廃棄物処理施設を見学するとともに、同施設の専門家の知識・スキル、視点について現場の生の声を聞き、さらに意見交換を行う。

見学会案内資料については別添7-1 2022年度日本原燃・電源開発・QST見学会案内を参照。

日時

令和4年11月21日(月)7時30分(八戸駅)~11月22日(火)18時30分

開催場所

日本原燃株式会社・再処理事業所及び濃縮埋設事業所
https://www.jnfl.co.jp/ja/

電源開発株式会社・大間原子力建設所
https://www.jpower.co.jp/bs/nuclear/oma/about.html

量子科学技術研究開発機構(QST)・量子エネルギー部門・六ヶ所研究所
https://www.qst.go.jp/site/rokkasyo/

参加者

内容

  • 日本原燃
    • PR館にて、日本原燃会社概要及び核燃サイクル概要説明および見学
    • 燃料濃縮工場の外観を見学
    • 低レベル放射性廃棄物埋設地及び放射性廃棄物中深度処分調査坑を見学
    • ガラス固化技術開発施設、技術開発研究所を見学
    • 再処理安全対策工事現場において、主排気筒 竜巻対策工事、再処理本体用安全冷却設備新設工事及び新緊急時対策所建設現場を見学
    • 高レベル放射性廃棄物管理施設を見学
    • 最後に、日本原燃・社員との懇談
  • 電源開発
    • 大間原子力建設所の概要説明
    • 現場見学(ヤード、運転シミュレーター、原子炉建屋内)
    • 建設所職員との懇談・質疑
  • QST 六ケ所研究所
    • 概要説明
    • LIPAc 遠隔制御室
    • スパコン
    • IFMIF 加速器施設
    • 原型炉 R&D 棟
    • ブランケット工学試験棟
    • 意見交換

事前学習資料

#07「核燃料サイクル工学」

質疑

アンケート結果

学生の意見の例

  • コロナで六ヶ所見学が中止され続けて、学生のうちはもう六ヶ所に行けないと思っていたが、今回足を運ぶことができて本当に良かった。また応募時には六ヶ所に行くのに QST には行かない、ということだったが後で追加されて加速器が専門の私にとっては最も興奮した見学先だった。 見学先の提案ですが、1F サイトはどうでしょうか。線量的に難しいとしても、廃炉や福島復興事業の施設を見てみるのも面白いのでは(後半は原子力との繋がりがあるのか分かりませんが)。
  • 今回の見学会では、大間原発と QST を見れて、すごく楽しかった。大間原発では、実物を見ることでしか得られない、建屋内の雰囲気と規模感を得られた。QST では、核融合の研究がどの程度進んでいるか、どの専門分野に未実証の課題が残っているのかを明確に知れた。以上のことが分かり、とてもおもしろかった見学会であった。また他大学の、人々の様子を感じ取れ、自分の無知さを十二分に感じ、これ又刺激となった。 今後の希望 今回の QST の見学を行ったことで、核融合についてももっと知りたいと思った。その為、那珂にある JT-60SA を見てみたいと感じました。 又、福島原発と同様の津波を受けて無事だった女川原子力発電所も福島第一原発との比較の観点から見てみたいと感じた。
  • 建設中の原子力発電所の見学は本当に感動しました。普段見ることができない格納容器内部や圧力容器下部の制御棒機構などを実際に見学したことで、原子力発電所の構造について非常に理解が深まりました。 QST の見学では核融合の仕組みに加え、発電実証に向けて解決すべき課題について明確に理解することができました。 この度は大変貴重な機会をいただき、ありがとうございました。また機会があれば参加させていただきたいです。