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目的・概要
自然界に存在する最も重い元素はウラン(U、原子番号92番)である。これより重い元素は、原子核反応を使って人工的に合成されてきた。日本では、理研が中心とするグループが新元素113の合成に成功し、アジアで初めての元素の命名権を獲得、元素名「ニホニウム」を与えた。これまで人類は、118番元素までの合成に成功している。
原子炉の中では、原子核が中性子を吸収してできるある種の原子核がβ-崩壊することで、一つ重い原子番号の元素が作られる。ウランから始まり、この過程を繰り返すことでフェルミウム(Fm,100番元素)までの元素が原子炉の中で生成される。一方、ニホニウムなどはどのように作られるのか。
フェルミウムより重い原子核は、“重イオン核融合反応“で生成される。加速された原子核を、標的原子核にぶつけ、合体させる反応である。ニホニウムの場合、亜鉛原子核(Zn、原子番号30)を加速し、ビスマス(Bi,原子番号83)にぶつけることで、30+83=113番元素が作られた。世界では、118番を超える元素を作るべく、世界各国が競争している。
本実習では、原子力機構原子力科学研究所のタンデム加速器施設を用いて、重イオン核融合反応に関する基礎と実験方法を学ぶ。タンデム加速器からの重イオンビームを標的に照射し、自然界にない原子核を合成する。実験では、生成した原子核をビームから分離する方法、および生成した原子核の核種の同定方法について学ぶ。
実習を通じて」「原子核の基礎」「検出器の動作と放射線計測技術」「データの解析方法」等を学ぶことにより、原子力技術者の育成はもとより、将来の科学者の先駆け的な育成を目指すことを目的とする。
日時
2022年2月21日(月)~24日(木)(23日はお休み)25日(金):施設見学
場所
2月25日(金)原子力科学研究所の他の施設を見学予定です。
実習計画
実習は座学と実験実習からなり、3日間程度をかけて以下の4項目を学ぶ。
- 重イオン核融合反応の原理と超重元素の世界(座学)
- 加速器の原理とビームの輸送(座学と実習)
- 生成原子核を運動学的に分離する(座学と実習)
- 放射線計測による生成原子核の同定方法(座学と実習)
募集定員
募集を締め切りました。
参加資格
全国の高専生、大学生、大学院生。
旅費が支給されます。自費で参加できる場合は、その旨、ご連絡ください。
※JAEAの宿泊施設を利用可
募集期間
募集を締め切りました。
何かご不明点がございましたら、
問合せ先:北大・ANEC事務局(北海道大学工学研究院原子力安全先端研究・教育センター内)
メール:anecoffice@eng.hokudai.ac.jp
までお願い致します。